- インフラエンジニア初心者向けのおすすめの本を知りたいけど選び方がわからない
- より深く学ぶためにインフラの分野別におすすめ本を知りたい
- 本だけでなくおすすめのサイトやおすすめの認定試験も知りたい
インフラエンジニア初心者の方で本を読んで勉強したいけど、実際にどの本を読めばいいかわからない人も多いとおもいます。
今回の記事ではインフラエンジニア初心者の方におすすめの勉強方法と、おすすめの本を分野別にご紹介します。
本以外にも、無料で学べるおすすめのWebサイトや認定試験も紹介しています。
紹介する本が多くなっていますが各分野で分けて紹介していますので、興味のある章に目次から飛んでいただけると幸いです。
- 1 インフラエンジニアにおすすめの勉強方法
- 2 最初にまとめ!分野別のおすすめ書籍
- 3 インフラアーキテクチャ全般のおすすめ本
- 4 ネットワークのおすすめ本
- 5 ストレージ&ストレージネットワークのおすすめ本
- 6 データベースのおすすめ本
- 7 仮想化(ハイパーバイザ・コンテナ・ネットワーク)のおすすめ書籍
- 8 パブリッククラウドのおすすめ本
- 9 HCI(hyper converged infrastructure)のおすすめ書籍
- 10 セキュリティのおすすめ本
- 11 サーバOS・ミドルウェアのおすすめ本
- 12 インフラ運用・監視のおすすめ書籍
- 13 シェル&コーディング&プログラミングのおすすめ本
- 14 その他の技術・先端技術のインフラおすすめ本
- 15 まとめ
Table of Contents
インフラエンジニアにおすすめの勉強方法
エンジニアになると一生勉強をし続ける必要があります。
仕事(実務)、本、メーカー公式サイト、ニュースなどのトレンド情報、勉強会など、エンジニアにはさまざまな学習法があります。
その中でも、実務でわからない部分や興味の湧いた部分を本や公式ドキュメントで学んで補い、それを業務でいかすといった方法がもっとも着実な方法です。
疑問に思う→サイトで調べる→本で詳しく知る→アウトプットする(業務でいかす)
本は読んだ分だけ有効な自己投資(財産)になります。本を買うお金がもったいなければ図書館で借りるのでもOKです。
初心者で最初はわからないことだらけですが、前向きに勉強を続けていけばいつか必ず点が線になる時がきます。その時は仕事がさらに楽しくなっているでしょう。
最後にアウトプットをすることも重要です。本で学んだことは積極的に仕事でいかしましょう。Twitterやブログで感想をまとめて知識を定着化するのもいい方法です。
新しい本と古くてもOKな本
この記事では、新しい本と古い本の両方を紹介しています。
ITの進歩は早いので新しい本だけでいいじゃないか?という疑問もわくかもしれませんが、古い本には古い本なりの良さがあります。
インフラエンジニアが扱うプロトコルは昔から今も変わらずずっと使われているものがたくさんあり、本質はそれほど変わっていません。
古い本で今も読む価値があるとして残っているものは本当の良書です。
古い本に取り扱われる技術にはすでに使われなくなったもの(たとえばフレームリレーとか)もあり読み飛ばしてもいい部分もたしかにあるのですが、歴史の流れとして単語くらい知っておくことは悪くないでしょう。
もちろん5GやIaCやパブリッククラウドといった新しくて旬の技術については新しい本でしか学ぶことができません。
新しい本には図解(カラー)でわかりやすいものも増えているので、初心者の方にとっても取っ付きやすくていいでしょう。
ここでは新しい本と古い本の両方を紹介しています。古い本はどれもおすすめの伝説的な一冊です。インフラエンジニアの先輩たちも読んできた本だと思ってぜひ手に取ってみてください。
本をたくさん買う場合はAmazonギフト券も
本をたくさん買う場合はAmazonギフト券を利用したお得な買い方がおすすめです。
ギフト券といっても自分のアカウントに直接入金する「チャージタイプ」にすれば「物理カード不要」ですぐに使うことができます。
コンビニ・ネットバンキング・ATMからチャージするタイプでは最大2.5%(プライム会員)、クレジットカード購入では0.5%のポイントが還元されます。
- コンビニ・ネットバンキング・ATM振込:0.5〜最大2.5%還元
- クレジットカードチャージ:0.5%還元+クレカポイント
おすすめは自宅で簡単にできるネットバンキングからのチャージで、最大2.5%のポイント還元を受けることです。もちろん振込手数料はAmazon負担なので無料です。
ポイント還元率の良いクレジットカードを使っている場合は、Amazonのポイント0.5%(一律)+クレカポイントを受け取ればよいでしょう。
どちらにしてもそのまま買うよりはお得になります。みなさんの条件に合わせて最適な方法を選択してください。
クレジットカード購入の場合は事前にエントリーが必要なので最初に忘れずにエントリーしておきましょう。(エントリーは1度でOK)
Amazonギフト券のお得な使い方は、下記の記事で詳しく解説しています。最大3.7%還元にする裏技もご紹介しています。
Amazonギフト券のお得な利用方法についてはこちらのブログも参考にしてください。
最初にまとめ!分野別のおすすめ書籍
本記事が長くなりましたので、最初に分野別のおすすめ書とサイトのタイトルを一気にご紹介します。
どのような観点でおすすめしているか?といった詳細ポイントは各見出しに飛んでみてください。
見出しをクリックするとジャンプします!!
- インフラのアーキテクチャ全般
- ネットワーク
- ストレージ&ストレージネットワーク
- データベース
- 仮想化(ハイパーバイザ・コンテナ・NW)
- パブリッククラウド
- HCI(Hyper Converged Infrastructure)
- セキュリティ
- サーバOS&ミドルウェア
- インフラ運用・監視
- シェル&コーディング&プログラミング
- その他の技術・先端技術
インフラアーキテクチャ全般のおすすめ本
初心者の方へ最初におすすめする本はITインフラ全体を俯瞰して学ぶことができる書籍です。
インフラエンジニアの技術は、サーバ・ネットワーク・ストレージ・データベース・仮想化・LinuxOSなど多岐に渡ります。
まずはそれぞれのコンポーネントに分けて各論を学ぶよりも、全体の関係性をLayerに分けて俯瞰的に理解する必要があります。
ここではインフラ全体を優しく学ぶことができる本を3冊ご紹介します。
【インフラ全般】おすすめ書籍
書籍名 |
①インフラエンジニアの教科書
|
②インフラエンジニアの教科書2
|
③サーバ/インフラエンジニアの基本がこれ1冊でしっかり身に付く本
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ネットワークのおすすめ本
インフラストラクチャの代表的な専門分野として、サーバ・ネットワーク・データベース・ストレージといったものがあげられます。
なかでもネットワークは非常に奥が深く、ネットワークエンジニアと呼ばれるスペシャリストが日本の重要なITインフラを支えています。
私もネットワークが1番の専門分野なので、この章は少しボリューム多めになってます。(個人的な理由ですみません汗)
【ネットワーク】おすすめ書籍
おすすめ本 |
①図解でよくわかる ネットワークの重要用語解説
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②ネットワークはなぜつながるか
|
③インフラ/ネットワークエンジニアのためのネットワーク技術&設計入門
|
④マスタリングTCP/IP―入門編―
|
【NW】CCIEみやたひろしさんの本は全ておすすめ
ネットワークの設計を書いているみやたひろしさんの本は全てわかりやすくておすすめです。
私も毎度購入しています。時間とお金が許すならぜひ全て読んでいただきたい。
【NW】CCNAで勉強するのもOK
ネットワークの基礎を認定試験で勉強するのもおすすめです。認定試験なら必要な知識を体系的に整理して学ぶことができます。
ネットワークエンジニアの試験で有名なものは、国家資格のネットワークスペシャリストとCisco社のCCNAです。
ネットワークスペシャリストはやや難易度が高いため、初心者によりおすすめなのはCCNAです。私もネットワークエンジニアになって最初はCCNAの勉強から始めました。
CCNA最新の200-301に対応している本を買いましょう。Webでの学習はPing-tがおすすめです。
ストレージ&ストレージネットワークのおすすめ本
続いてストレージとストレージネットワークのおすすめ書についてみていきましょう。ビッグデータ時代にストレージの知識はとても重要になっています。
ストレージにはブロックストレージ(構造化データ)とオブジェクトストレージ(非構造化データ)がありますが、それぞれが閉める割合は20:80といわれています。
あらゆるマシンやセンサーから集めたデータ(ビックデータ)を分析・活用する事例が増えており、ますます非構造化データの量が増えていくことが予測されています。
また、ストレージの構造やストレージネットワークに加えて「ストレージのバックアップ」も非常に大事なシステムとなりインフラストラクチャで重要視されます。
ストレージ・ストレージネットワーク・ストレージのバックアップを構造から理解することが大切です。
分類 | 概要 |
ストレージ | 階層構造データ(ファイルストレージ)。 |
構造化データ(ブロックストレージ)。リレーショナルデータベースで管理されるデータ。 | |
非構造化データ(オブジェクトストレージ)。リレーショナルデータベースで管理できないデータ。 | |
ストレージのバックアップ | ストレージのバックアップ。 |
ストレージネットワーク | DAS(Direct Attache Storage) |
NAS(Network Attache Storage) | |
SAN(Storage Area Network) |
【ストレージ・ストレージNW】おすすめ書籍
おすすめ本 |
①IT技術者なら知っておきたい ストレージの原則と技術
|
【おすすめサイト】ストレージを最初に学ぶ人が見るサイト(無料)
ストレージの入門を学習するサイトとしてはネットワールドさんのサイトがわかりやすくておすすめです。
初心者の方であればこちらでまず概要を掴むだけでも十分でしょう。無料で学べるのも嬉しいポイントです。
ネットワールドさんのサイトで申し込みすると冊子(本)も無料でもらえます。この冊子(本)がフルカラーのイラストでめちゃくちゃみやすいです。(私ももちろん持ってます!)
▶︎▶︎▶︎ストレージを最初に学ぶ人が見るサイト(ネットワールド)
データベースのおすすめ本
データベースはミドルウェアの章に入れようかと思いましたが、これだけで深い分野になるのでひとつの章にしました
ストレージの章ではビッグデータにより非構造化データが増長していると紹介しましたが、データベースで管理される伝統的な構造化データもインフラにおいて重要であることに変わりはありません。
ここではデータベース管理システム(DBMS)で制御されるデータと、それに関連するアプリケーション(MySQLなど)を学ぶための書籍をご紹介します。
【データベース】おすすめ書籍
おすすめ本 |
①SQL 第2版 ゼロからはじめるデータベース操作
|
②スッキリわかるSQL入門 第2版 ドリル222問付き!
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【DB】Oracleのデータベース試験で勉強するのもOK
データベースといえばOracle(オラクル)!といわれるほど業界ではシェアNo.1を誇っています。
以前に比べると脱オラクルの流れがあり、Microsoft SQL Sever、MySQL、PostgreSQLといった別ソフトウェアのシェアも増えていますが大規模インフラではまだまだOracleが現役で稼働しています。
Oracle認定試験は昔から人気のあるDBエンジニア向けの試験です。
データベースのことを深く知るためにオラクル認定試験(Bronze DBA Oracle Database Fundamentals:試験番号1Z0-085)の内容から勉強を始めるのもいいでしょう。
オラクル認定試験のおすすめ書は黒本シリーズです。執筆を手がける株式会社コーソルの技術ブログ(https://cosol.jp/techdb/)も初心者向けでおすすめです。
仮想化(ハイパーバイザ・コンテナ・ネットワーク)のおすすめ書籍
代表的なインフラストラクチャの仮想化技術として、以下の3つに関連するおすすめ書をご紹介します。
インフラストラクチャの仮想化
- ハイパーバイザーによるサーバ仮想化
- コンテナ仮想化
- ネットワーク仮想化
この中でも近年注目度が増しているコンテナについて簡単に補足しておきます。
コンテナはホストOS上にアプリケーション起動に必要なアプリケーション本体、ライブラリ、設定ファイルといったアプリケーションの実行環境をパッケージ化し、ベアメタルサーバやパブリッククラウドを含めた様々な環境で、簡単かつ迅速にアプリケーションの起動を可能とする仮想化技術の一種です。
コンテナ型の仮想化を提供するDockerと、Dockerと連携して利用できるデプロイ&オーケストレーションツールのKubernetesがコンテナ技術のデファクトスタンダードになっています。
場所を問わないこと、リソースを節約し効率的に活用できること、マイクロサービス(アプリケーションを複数のサービスに分割して細分化した役割を果たす)が新しい開発プロセス「DevOps」を促進することから近年注目度がいっそう高まっています。
すぐに業務で使わない人も新しい知識として知っておくと良いでしょう。
【仮想化】おすすめ書籍
おすすめ本 |
①VMware vSphere7インテグレーションガイド
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②VMware徹底入門 第4版
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③Dockerから入るKubernetes コンテナ開発からK8s本番運用まで
|
④ネットワーク仮想化 基礎からすっきりわかる入門書
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【仮想化】VMwareの公式サイトもおすすめ
インフラストラクチャの仮想化で導入実績の多いメーカーはVMwareです。
VMwareでハイパーバイザーからネットワーク(LAN/WAN)まで全て仮想化することができます。最近はコンテナにも力を入れています。
CiscoもACIやSD-WAN(最近はCisco Edge)などでLAN/WANの仮想化を推進していますが、個人的には少し使いにくい印象がありますので、初心者の方が入り口にするのはVMwareで問題ありません。
主製品であるVMware vSphere(ハイパーバイザー)の基礎はVMware社の新卒SEがまとめている公式ブログが初心者向けでわかりやすいです。ぜひ合わせて参考にしてみてください。
パブリッククラウドのおすすめ本
企業ネットワークで導入実績の多いパブリッククラウドはAmazon、Microsoft、Googleのサービスです。この3つのどれかから学べば問題ありませんが、もし勤めている企業で取り扱う可能性が高いものがわかっていればそちらを優先的に学習しましょう。
パブリッククラウド大手3社
- AWS(Amazon)
- Azure(Microsoft)
- GCP(Google)
【パブリッククラウド】おすすめ書籍
おすすめ本 |
①AWSではじめるインフラ構築入門 安全で堅牢な本番環境のつくり方
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②Azure定番システム設計・実装・運用ガイド
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【無料サイト】パブリッククラウド各社の公式ドキュメントで学習する
パブリッククラウドは日々急速にアップデートされていきますので、本だけでなく公式ドキュメントも参考にしましょう。
【クラウド】AWS・Azure・GCPの認定資格試験
学習の方法として、各サービスの認定試験を受けてみるのもいいでしょう。いまアメリカのエンジニア界隈で資格価値が1番高いものがAWSやAzureの試験とされています。
AWSであればクラウドプラクティショナーとソリューションアーキテクトがおすすめです。ソリューションアーキテクトの方が難易度が高いですが、いきなりこちらから受ける人も多いです。
AzureであればAzure FundamentalsとAzure Administrator Associateから入るのが王道です。
HCI(hyper converged infrastructure)のおすすめ書籍
従来のインフラはストレージ、ストレージネットワーク(SAN)、サーバを別々で管理する必要がありましたが、最近注目を集めているHCI(ハイパーコンバージドインフラ)により統合管理が可能となりました。
インフラストラクチャのコンポーネントを3階層から1階層へと簡易化することにより、キャパシティプランや互換性(コンパチ)の確認もシンプルになりました。
HCIはSDS(ソフトウェア定義ストレージ)で複数のサーバに内臓されたDISKをまとめて、1つのストレージとして管理できることによりストレージの冗長性を実現しています。
また、管理するハイパーバイザーによりサーバを冗長化できる点も従来の3Tierモデルと変わりありません。
【HCI】おすすめ書籍
おすすめ本 |
①Nutanix Hyper Converged Infrastructure入門
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【HCI】VMwareとNutanixの公式ドキュメントで学ぶのでOK
HCIの市場シェアトップはVMwareとNutanixです。余談ですが東日本はVMware(vSAN)、西日本はNutanixがシェア率が高いです。
HCIのトップシェアベンダー
- Nutanix NXシリーズ
- VMware vSAN
- DellEMC VxRail
HCIについては上記で本を紹介しましたが、ぶっちゃけこの2社の公式ドキュメントを読んで概要を掴めば大丈夫です。
▶︎▶︎▶︎VMware vSANの公式ドキュメント
▶︎▶︎▶︎NutanixのHCI公式ドキュメント
セキュリティのおすすめ本
セキュリティと一言でいっても、インフラエンジニアのよく聞くネットワークセキュリティ・FW・不正アクセス・ウイルス解析・認証・暗号といった分野だけではなく、物理セキュリティ・法令や規格・セキュリティマネジメント・社員教育・攻撃手法・ケーススタディなど本当に上げきれないほど広範になります。
これ一冊でセキュリティが完璧!という本はありませんので幅広く地道に学んでいくしかありません。
【セキュリティ】おすすめ書籍
おすすめ本 |
①決定版サイバーセキュリティ
|
②現代暗号入門
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③マスタリングTCP/IP 情報セキュリティ編
|
④体系的に学ぶ 安全なWebアプリケーションの作り方 第2版
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⑤実践ネットワークセキュリティ監査
|
セキュリティは奥が深い
セキュリティは奥が深い世界なので、これ一冊ですぐにセキュリティエンジニアになれる!といった本はありません。
IT業界で長年経験を積んできたベテランエンジニアが、その経験を最大限に活用してセキュリティエンジニアとして活躍しています。
ITのネットワークからアプリケーションまで幅広い知識が要求されますし、技術だけでなくCSIRTの運営、監査、外部メディアへのプレスリリースなど、神経がすり減るさまざまな仕事をしています。
セキュリティはそもそも低いレイヤーでいかに攻撃を防ぐことが重要なので、インフラエンジニアとの親和性が高くいずれ学ぶことが必須の分野です。
サーバOS・ミドルウェアのおすすめ本
インフラエンジニアが取り扱うOSで有名なのはLinuxとWindowサーバのOSです。
[Linux Server]
LinuxはさらにRedHat系やDebian系に分かれますが、商用ではRedHatが採用される企業が多いです。
Linuxの主要ディストリビューションとして、RedHat系ならCentOS、Debian系ならUbuntsであれば無料でインストールして学習することができます。
Windowsは感覚的に操作できるのですが、サーバエンジニアならLinuxまで扱えてナンボの世界です。手を動かしながら学べる本がおすすめです。
[Windows Server]
Windows ServerはActive Directory(AD)、WSUS、ファイル共有(CIFS)で使われることがよくあります。仕事で使うなら特にADの知識は必須になってきます。
[ミドルウェア]
ミドルウェアと一言でいっても、Web、DNS、データベース、メール、プロキシ、FTP、ファイル、認証、SSH、NTP、DHCP、SNMP、SYSLOGなど幅広いアプリケーションが利用がされています。
サーバエンジニアとして働く場合はミドルウェアの知識や設計・構築経験は必須です。
今回はこの中で特に利用機会が多く学習ボリュームの多いWebサーバとDNSサーバに絞ってご紹介します。
【サーバ・ミドルウェア】おすすめ書籍
おすすめ本 |
①新しいLinuxの教科書
|
②プロのためのLinuxシステム構築・運用技術
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③ひと目でわかるWindows Server2019
|
④DNSがよくわかる教科書
|
⑤ゼロからわかる Linux Webサーバー超入門
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【サーバ】Linuxは鉄板 LinuC(LPIC)で勉強するのもGood
Linuxの操作になれてくると、デスクトップ(GUI)は使わずにコマンドライン(CUI・CLI)のみで操作するようになってきます。
そもそもデスクトップインターフェースをインストールしていない商用サーバが多数存在しています。
最初はコマンドを覚える必要がありますが、慣れてくるとGUIで操作するよりも確実に扱いやすくなりますのでできるだけ早く習得しましょう。
テキストエディタで標準的に使われるVi操作なども最初はクセがありますので、基本操作を一から学ぶのであればLinuCで勉強するのが体系的でおすすめです。
私もサーバエンジニアとして駆け出した時の最初はLinuC(当時LPIC)の勉強から始めました。
LinuCのおすすめはあずき色の本と、Ping-tの組み合わせ学習です。もちろん実際に自分のPCへLinux(CentOSなど)をインストールして手を動かしながら学んでいきましょう。
▶︎▶︎▶︎Ping-t(公式サイト)
インフラ運用・監視のおすすめ書籍
SIerで働くインフラエンジニアの業務内容は大きく以下のように分けられます。
インフラエンジニアの業務内容
- コンサル
- 提案(プリセールス)
- 要件定義
- 基本設計・詳細設計
- 検証・構築
- 運用・保守
これはITシステムのライフサイクルに関連しています。
下記はネットワーク機器メーカー世界最大手の「シスコシステムズ」が定義する、ITインフラストラクチャのライフサイクルです。
ライフサイクルのフェーズによって担当する業務が変わり、それぞれ得意とするエンジニアが存在しています。
ITインフラにおいて運用はもっとも重要なフェーズのひとつです。
導入したインフラはストップすることなく、自動で負荷分散され、柔軟に拡張でき、誰でもメンテナンスしやすい状態になっていなければなりません。
運用フェーズにのってから運用のことを考えるのでは遅く、最初の設計の時点で運用まで一気通貫して考えられるのがプロのインフラエンジニアです。
【運用・監視】おすすめ書籍
おすすめ本 |
①[24時間365日] サーバ/インフラを支える技術
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②運用設計の教科書 ~現場で困らないITサービスマネジメントの実践ノウハウ
|
シェル&コーディング&プログラミングのおすすめ本
Web開発社ならWebサーバだけでなくHTMLやCSSでコーディングをすることが求められます。私も自分でWebサイトを一から作ってきましたのでコーディングの知識が勝手に身につきました。
近年はインフラエンジニアでもプログラミング求められる時代に突入しています。
Unix/Linuxに標準搭載されたシェルスクリプトや、Windows ServerのPowerShellを使うことはこれまで普通にありましたが、近年は自動化で注目されるPythonやRubyを勉強し始めるエンジニアが増えています。
Infrastructure as Code(コードとしてのインフラ)を管理するためにもプログラミングの知識は大切です。
ここでは一応書籍を紹介しますが、コーディングやプログラミングは手を動かして学ぶものです。その素材になる知識は本だけでなくWebサイトにたくさんありますので興味のあるワードで探してみましょう。
【シェル・コーディング・プログラミング】おすすめ書籍
おすすめ書 |
①新しいシェルプログラミングの教科書
|
②シゴトがはかどる Python自動処理の教科書
|
初心者のプログラミング学習ならProgate
プログラミング学習をゲーム感覚で楽しく学べる方法としてProgateといったアプリ学習が注目されています。
プログラミングなど書いてナンボのものは、書籍で読んで学ぶよりもアプリで動的に学ぶ方があっているかもしれません。
Progateなら初心者でも安心して基礎を学ぶことができます。
HTML&CSS、Python、Ruby、PHPといったWeb開発に必須のコースが揃っているので無料の範囲から初めてみて自分に合っているか確認するのもよいでしょう。
▶︎▶︎▶︎Progateのコース一覧(公式)
その他の技術・先端技術のインフラおすすめ本
インフラエンジニアの分野ごとにおすすめ本を紹介してきましたが、それ以外の技術や先端技術などについてのおすすめ書籍をご紹介します。
私がこれまでに読んできてとても勉強になったものを独断と偏見でピックアップしています。
ロードバランサー(負荷分散)
▶︎▶︎▶︎サーバ負荷分散入門
ロードバランサー(負荷分散)を専門に取り扱った一冊です。
BIG-IPはロードバランサーのなかででもっとも現場で使われているみ専用アプライアンス製品です。私のおすすめ著者であるみやたひろしさんはBIG-IPで務めていますので、彼の専門分野についての一冊です。
内容もさすがにわかりやすくて超おすすめです。
IaC(infrastructure as code)& Ansible&GitLab
▶︎▶︎▶︎インフラCI実践ガイド Ansible/GitLabを使ったインフラ改善サイクルの実現
構成自動化ツールやコンテナ仮想化、クラウドなどが普及し、Infrastructure as Code(コードとしてのインフラ)が注目されています。
インフラの定義をコード化できるとともに、今度はそれらを適切に管理し、CI(Continuous Integration:継続的インテグレーション)の技術を適応させることによってシステムの変更を継続的に維持できるサイクルが実現されました。
これにより「どこでも誰でも同じ環境が作れる」、「作成した環境を配布しやすい」、「スクラップ&ビルドが用意にできる」といった新たな利点が生まれます。
こちらは実際に手を動かしながらIaC(Infrastructure as code)とAnsible(構成自動化ツール)とGitLabを同時に学べる一冊です。
AnsibleはRedHat社の最新公式ドキュメントを読むのもおすすめです。
また、ThinkITさんの「注目の構成管理ツールAnsibleを徹底活用する」の連載記事も大変勉強になります。
5G
▶︎▶︎▶︎決定版 5G ―2030年への活用戦略
実際に5Gの普及を担当する総務省の担当課長が手がけている新しめの本です。5Gの技術的なことというよりは、近未来のビジョンについて書かれている本です。
5Gは夢が多く語られるフェーズから現実的な理解(ハイプサイクルでいうところの幻滅期)に入りインフラ業界でも導入の機会が増えてきました。
まず注目されているのは特定エリア内で活用するローカル5Gです。
これからの医療・教育・農業・モビリティで広く使われていくためにも無線電波におけるレギュレーションは重要であり総務省はまさに5Gにおける日本の鍵を握る存在です。
仮想通貨(ビットコイン)
▶︎▶︎▶︎ビットコインはどのようにして動いているのか? ビザンチン将軍問題、ハッシュ関数、ブロックチェーン、PoWプロトコル
なぜビットコインを取り上げるかというと、管理者不在で自律的に利用されている仕組みがインフラエンジニア的にもおもしろいからです。
ビットコインはP2Pモデルでマイニングされていますが、インフラエンジニア的な観点でみれば従来のサーバクライアントモデル(P2Pの対)の方が効率が優れていることはいうまでもありません。
現にビットコインのマイニングに必要なエネルギーはノルウェー一国と同じくらいになっています。(もっと増える見込み)
ビットコインがP2Pモデルでマイニングする理由は「非中央集権(Decentrailzed)」という理念を実現するためです。
マイニングの中核システムはハッシュ関数(SHA256)による大量の計算によって支えられていますが、それの中核となるPoWの仕組みはITエンジニアとしてぜひ理解しておきたいです。
この本は、ハッシュ関数、公開暗号化方式といった情報セキュリティにとって重要なプロトコルによって通貨のビザンチン将軍問題を解決しています。
PoWに焦点を絞って初心者でも簡単に理解できる内容です。ビットコインについてまだちゃんと理解できていない人はこっそり手に取りましょう。
RPA(Robotic Process Automation)
▶︎▶︎▶︎絶対失敗しない! ロボット1000体を導入してわかったRPA成功の秘訣
この本は、ソフトバンクのメンバーが実際に自社や大企業へRPAを導入サポートをした際の事例を語ってくれています。
RPA(Robotic Process Automation)は人間がコンピュータ上でおこなっている定型作業を、代わりにロボットが自動処理してくれることをいいます。
得に定型業務の多い銀行といった金融業で導入が進められ、業務効率化や人員削減のためのツールとして注目を集めています。
Blue PrismやUiPathといった製品が有名で、日本ではNTTデータのWinActorの導入事例が多いです。
最近はアクセンチュアを代表にRPAとAIを組み合わせた製品が増えてきていますね。
この本以外にも導入事例を知りたい場合は、アビームコンサルティン(NEC系のコンサル会社)の書いている「RPAの真髄」もおもしろかったのでおすすめです。
フィンテック
▶︎▶︎▶︎フィンテック
▶︎▶︎▶︎FinTechの衝撃
フィンテックは金融(Finance)と技術(Technology)を組み合わせた造語で、金融サービスとITを結びつけたさまざまな取り組みを指します。
金融業界はITに最もコストを支払っている業界のひとつです。金融業界以外で働くITエンジニアにとっても、どのようにIT技術を活用されているか知ることができますので読み物としておもしろいです。
特に既存金融機関は斜陽産業となり、今変革を急いでさまざまな取り組みをしています。
フィンテックのいいところは、自動家計簿アプリやキャッシュレス決済やロボアドバイザーなど、そのサービスを自分の実生活でも活用できるところです。
フィンテックの衝撃で書かれている、金融API公開後に起きる「既存金融機関は土管化を避けたい」という流れの話は今まさにリアルで起きていることとして体感できます。
CASB(Cloud Access Security Broker)
クラウド時代のセキュリティ監査・対策としてCASBが注目されています。
CASBはとくにオススメの本はありませんが、私の過去記事でまとめていますので参考にしてください。
Shadow ITとSanction ITの違いや、SaaSやIaaSでのCASBの活用方法を知ることができます。
- 「CASB」とは?ガートナーが提唱するクラウド活用時代のセキュリティ対策
- CASBの構成を理解する
- 今話題のCASB(Cloud Access Security Broker)市場の主要ベンダーは?
- 「CASBのShadow IT」と「URLフィルタリング」の違いは何か?補完関係であることを理解する
アルゴリズム全般
▶︎▶︎▶︎世界でもっとも強力な9のアルゴリズム
こちらの本は、アルゴリズムの成り立ちを知るためにぜひインフラエンジニアのみなさんに読んでいただきたい本です。
公開鍵暗号方やデジタル署名の章がとくにおもしろかったのでセキュリティのところで紹介しようと思いましたが、その他のこともたくさん学べるので個別紹介にしました。
この本は文章中心の読み物的な本です。時間があるときなどにぜひ手に取ってみてください。
まとめ
今回の記事では、インフラエンジニアの初心者の方へ向けておすすめ書をいっきに紹介していきました。
各分野ごとに本をピックアップしてきましたが、それぞれの分野で知識は独立したものではなく読み進めていけば知識がどんどん線となって定着化していきます。
エンジニアは一生勉強をしないとけない職種です。言うまでもありませんが、勉強をするのにあたって本は最高のツールです。
これからも前向きに楽しく勉強していきましょう。どこかで知識が突き抜けると仕事が楽しくなってきますし、周囲からの信頼も厚くなってきます。
エンジニアとしていいサイクルでスキルアップできように一緒に研鑽していきましょう。
本日も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。