【年収ランキング】ネットワーク・インフラエンジニア業界のSIer

ネットワーク・インフラエンジニアが多数活躍する大手システムインテグレーター(以下、SIer)18社の平均年収について調べてみました。

よくある就活生向けの大手SIerランキングとは違い、ネットワーク・インフラ分野で機器販売&インテグレーション実績の豊富な企業を選別してランキング形式でご紹介します。

もちろんそういった企業には、技術力の高いネットワーク・インフラエンジニアが多数在籍して活躍しています。

技術力の高いエンジニアが集まる場所に行けば、そこで切磋琢磨されて自分の技術力も相乗効果で向上する機会があります。

ちなみに私も今日ご紹介する企業のどこかで働く現役のエンジニアです。

この記事がみなさんの就職・転職活動の参考になれば幸いです。

大手ネットワーク・インフラ系SIerの平均年収ランキング

ではさっそく大手ネットワーク・インフラ系SIerの平均年収ランキングをみていきましょう。

前提として、今回のランキングでは、信用度の高いエビデンスとして、各企業が公表している過去5年間の有価証券報告書をもとにまとめています。

有価証券報告書を公表する義務のある上場企業が対象となりますので、外資・中小・ベンチャー企業は残念ながら除外となっています。

平均年収ランキング

順位会社名過去5年平均2021年2020年2019年
1NRI1,199万1,225万1,235万1,221万
2KDDI943万948万930万952万
3NTTコミュニケーションズ912万930万922万911万
4フューチャー887万793万807万822万
5日立製作所881万890万902万894万
6CTC871万933万896万871万
7日鉄ソリューションズ841万855万844万835万
8NTTデータ826万841万833万828万
9富士通810万865万803万798万
10NEC806万829万814万798万
11ネットワンシステムズ794万825万837万779万
12日本ユニシス789万808万825万793万
13ソフトバンク778万820万782万733万
14NECネッツエスアイ754万774万769万755万
15SCSK732万752万735万725万
16KEL709万723万722万707万
17TIS684万717万701万681万
18IIJ679万718万698万669万

【業界別】大手IT企業 平均年収

ランキング形式で一気に羅列すると少しみにくかったので、ここからは業界別に過去5年間の平均年収すべてをご紹介していきます。

まずSIerの分野をざっくり以下の6業界に分けてみました。

代表的なSIerの業界

  1. 商社系
  2. メーカー系
  3. 独立系
  4. キャリア系
  5. コンサル系
  6. ユーザ系

本当はこれ以外にも金融系グループ会社や外資系企業や販売代理店など幅広く調べたかったのですが、正確なデータを集めることが難しかったのでここでは上げていません。

商社系 SIer

会社名過去5年平均2021年2020年2019年2018年2017年
CTC871万933万896万871万855万802万
KEL709万723万722万707万705万692万
SCSK732万752万735万725万726万726万

親会社が商社なのでもともと物販を得意としている企業ですが、機器販売とセットでシステムインテグレーションを提供しています。

ほかにも丸紅ITソリューションズ、三井情報(MKI)、三菱電機インフォメーションシステムズ、日商エレクトロニクス(双日)なども同様のビジネスモデルといえます。

SIerの付加価値は機器を安く売ることではなく、インテグレーションの品質で決まります。そのため商社系SIerでは、優秀なネットワーク・インフラエンジニアが多数活躍しています。

メーカー系 SIer

会社名過去5年平均2021年2020年2019年2018年2017年
日立製作所881万890万902万894万871万849万
富士通810万865万803万798万790万797万
NEC806万829万814万798万789万804万
NECネッツエスアイ754万774万769万755万739万734万

メーカー系のSIerは、B to Cを中心に自社製品を展開していますので世間一般の認知度が高いです。

to Bのシステムインテグレートもビジネス規模が大きく、海外メーカに比べると寂しいですが自社製品も展開しています。日立のアプレシアやAccount@Adapter、日立×NECのアラクサラ、富士通のIPCOM、なんかは現場でもよく目にします。

特にIT業界で大きなお金が動く官公庁金融会社のビッグプロジェクトでは、このメーカー系SIerの名前が必ずといっていいほど登場します。

独立系 SIer

会社名過去5年平均2021年2020年2019年2018年2017年
ネットワンシステムズ794万825万837万779万773万758万
TIS684万717万701万681万669万653万
日本ユニシス789万808万825万793万770万750万

独立系SIerは、自社製品がないこともありマルチベンダーを柔軟に活用したフラットな目線で顧客に提案ができます。

ネットワンシステムズはもともとの生い立ちは三菱系なので、独立系とするのは微妙かもしれませんが一応こちらでカテゴライズしてみました。もう一つ付け加えると、マルチベンダーといいつつもネットワンは日本最大のネットワークインテグレータ(NIer)として昔からシスコとズブズブの関係です。

日本ユニシスの関連会社であるユニアデックスにもネットワーク・インフラエンジニアが多数在籍していますが、上場企業ではないので正確な年収のデータを集めることができませんでした。

キャリア・通信系 SIer

会社名過去5年平均2021年2020年2019年2018年2017年
NTTコミュニケーションズ912万930万922万911万905万894万
ソフトバンク778万820万782万733万
KDDI943万948万930万952万936万953万
IIJ679万718万698万669万668万646万

キャリア系SIerの代表格はNTT、ソフトバンク、KDDIの3社です。ここに加えて、日本のISPとして有名なインターネットイニシアティブ(IIJ)も上げてみました。

自社の通信設備とインテグレーションをパッケージ化して顧客に販売できるところがキャリア系SIerの強みです。

またIIJは自社の独自サービスのメニューが豊富で、日本のインフラSIerが直面する物売りビジネスの限界にいち早く対応してきた企業です。

コンサル系 SIer

会社名過去5年平均2021年2020年2019年2018年2017年
NRI1,199万1,225万1,235万1,221万1,166万1,151万
フューチャー887万793万807万822万836万1,178万

コンサル系SIerというカテゴリにしましたが、野村総合研究所(NRI)は日本のSIerランキングでもトップに君臨する企業です。

コンサル分野ではアクセンチュアのような外資系企業も年収が高いことで有名です。残念ながら日本の市場で上場していないので正確なデータは不明です。

日系では、NECグループのアビームコンサルティングの名前も最近よく目にしますね。

ユーザ系 SIer

会社名過去5年平均2021年2020年2019年2018年2017年
日鉄ソリューションズ841万855万844万835万837万834万
NTTデータ826万841万833万828万820万812万

ユーザ系SIerといっても、一言でまとめるのが大変難しかったので、ここではネットワーク・インフラ業界でも有名な2社のみ上げてみました。

ユーザ系は幅が広いので、他にもみずほ情報総研、オリックスシステム、トヨタシステムズ、トッパン・フォームズ、三菱ケミカルシステム、JR東日本情報システムなど、上げ出したらキリがありません。

ユーザ系の中には、自社グループ向けに特化してITサービスを提供している企業も多いです。

もっといえば大学や病院の情シスでもインフラ系のITエンジニアは求められていますので、広義ではユーザ系といえるかもしれませんね。

ネットワーク・インフラエンジニアの年収は確実に上がっている

今回の調査ではネットワーク・インフラエンジニアが多数在籍する大手SIer18社の平均年収について調べてました。

そこで分かったことは、「どの企業もここ数年で平均年収がグングン上がってる」という共通点があることです。

18社調査したうち、2021年度の年収が直近5年の平均年収を上回っている企業が、なんと17社(全体の9割以上)もありました。

調査対象18社の平均年収動向

  • 直近の年収が、過去5年の平均年収を上回っている企業:17社
  • 直近の年収が、過去5年の平均年収を下回っている企業:  1社

IT業界には新型コロナウイルスの影響はほぼないどころか、逆に世間のDX化が急速に進んだことでITエンジニアの仕事は忙しくなる一方です。

加えてITの需要は増え続けているにもかかわらず、ITエンジニアの人材は不足したままなので、それも年収が上がる要因のひとつになっています。

売り手市場×年収アップというトレンドはしばらく続くでしょう。

外資系企業ならもっと年収アップが可能

最後にネットワーク・インフラエンジニアが多数在籍する外資系企業もご紹介します。

残念ながら日本の市場で上場していないため、外資系IT企業に在籍するエンジニアの年収の詳細は不明です。

ただ、日系の企業より平均年収は基本的に高いです。転職した瞬間に軽く年収1,000万円に届いてしまう企業もたくさんあります。

外資系企業は日系に比べて成果に対するインセンティブが大きく左右しますので、成績がよいほど年収が上がっていきます。

私の知り合いのシスコの人は、成績がよかったときは個人で確定申告が必要(年収2,000万円以上)だったといってました。

ほかにも伝説ですが、セールスフォースの営業で年収が○億越えの人も聞いたことありますし、日本の企業では想像できないような給料事情です。

結果至上主義みたいなところがありますので、どちらかと言えばセールスが得意な人と相性がよいでしょう。

日本でもIT企業はどんどん年収が上がっていますが、それでも海外企業に比べたらかわいいものですね。

ネットワーク・インフラSEが在籍する外資企業の一例

分野会社名
ネットワークシスコシステムズ
Juniper ネットワークス
Arista
システムインテグレータアクセンチュア
IBM
ソフトウェアオラクル
VMware
Nutanix
RedHat
F5 ネットワークス
パブリッククラウドGoogle
Microsoft
Amazon AWS
サーバHP
DELL
ピュア・ストレージ
NetApp
セキュリティPalo Alto Networks
Symantec
McAfee
Fortinet

まとめ

今回はネットワークエンジニア・インフラエンジニアが多数在籍する日系SIer 18社の平均年収を調査しました。

調査した企業の9割以上が直近で平均年収が大幅に上がっており、ITエンジニアの需要の高まりが確実に反映されていることが如実にあらわれました。

私もこの業界にいるのでわかりますが、自分の会社だけでなく、競合他社どこを見渡しても人手不足です。

この超売り手市場をぜひ活用しながら年収を上げていきたいですね。

そして今日改めて気付かされましたが、ITエンジニア×英語は、キャリアアップ&年収アップの鉄板ですね。

私も英語があまり得意ではないので、これから勉強していく経過を紹介しつつみなさんと切磋琢磨したいと思います。勉強の方法は後日またご紹介いたします。

本日も最後まで読んでくださり、ありがとうございました!

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